GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID35 水銀(CAS番号 7439-97-6) 分類実施日 H18.3.23
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 区分外 - - - 水に対して安定(水に不溶、ICSC(2004))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 酸素、またはハロゲンを含まない無機物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - アルミニウム他多くの金属を侵し、アマルガムを生成するが(ICSC,2004)、データがないので分類できない。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない(国連番号2809)。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - データなし
他の水銀無機化合物については別途参照(塩化第二水銀)。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による液体のため、ガスでの吸入は想定されず、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - ヒトへの影響としては、「吸入、経口、経皮暴露により、 掻痒性皮膚発疹がみられた。 水銀蒸気の経皮暴露により、 肢端疼痛症を伴う、皮膚のはく離」といった皮膚への刺激性がみられているが他にデータが得られていないため、分類できないと判断した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - ヒトへの影響として「水銀蒸気暴露により、結膜炎がみられた .」といった眼への刺激性がみられているが、他にデータが得られていないため、分類できないと判断した。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:区分1

(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)警告
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
呼吸器感作性:データなし  
皮膚感作性:  EHC 118 (1991)、 CICAD 50 (2003)のヒト健康影響の記述、及び 日本職業・環境アレルギー学会特設委員会「皮膚感作性物質」、日本産業衛生学会(2005)「皮膚第1群」という既存分類により、 区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2
警告 遺伝性疾患のおそれの疑い 水銀の変異原性/遺伝毒性試験データはないものの、水銀化合物の試験結果から、ATSDR(1999)において、水銀はin vivoにおいて動物の体細胞に染色体異常を誘発すると評価していることから、区分2とした。
6 発がん性 区分外 - - - ACGIH (2001)でA4、IARC (1993)でGroup 3、EPA (1995)でDに分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分1A
危険 生殖能または胎児への悪影響のおそれ CERIハザードデータ集2001-58@ (2002)の記述から、ヒトの職業暴露に関する情報において、男性の原因による流産率の増加、女性に対照群と比べて月経障害、自然流産、死産、先天性奇形の多発が認められており、生殖能に対する悪影響や月経障害と、頭髪や陰毛の当該物質濃度も相関していることから、区分1Aとした。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(吸入経路:呼吸器、腎臓、中枢神経系、歯肉、消化管、心血管系、肝臓)
危険 臓器(吸入経路:呼吸器、腎臓、中枢神経系、歯肉、消化管、心血管系、肝臓)の障害 経口経路では吸収され難く、毒性影響の発現が吸入経路に限定されるため吸入経路での分類とした。
吸入経路では、ヒトについての「胸痛、呼吸困難、咳嗽、喀血、肺機能障害、び漫性の細胞浸潤、間質性肺炎」「一過性の蛋白尿から血尿、乏尿、近位曲尿細管壊死を伴う急性腎不全」「持続性の興奮、元気消失、性欲減退」「歯肉炎、歯肉出血、歯の脱落」「下痢、胃と十二指腸の粘膜壊死」「血圧上昇と心拍数増加」(CERIハザードデータ集 2001-58@ (2002))等の記載「肝腫大、小葉中心性肝細胞空胞化」(CICAD 50 (2003))等の記載があり、実験動物においては「肺胞上皮、腎臓、心臓、結腸粘膜、肝臓の組織に変性と壊死」(CERIハザードデータ集 2001-58@ (2002))等の記載があることから、標的臓器は呼吸器、腎臓、中枢神経系、歯肉、消化管、心血管系、肝臓と考えられた。なお、実験動物での影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲内でみられた。
したがって、分類は区分1(吸入経路:呼吸器、腎臓、中枢神経系、歯肉、消化管、心血管系、肝臓)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(吸入経路:中枢神経系、末梢神経系、腎臓、歯肉、心血管系、血液系、肝臓)
危険 長期ないし反復暴露による臓器(吸入経路:中枢神経系、末梢神経系、腎臓、歯肉、心血管系、血液系、肝臓)の障害 経口経路では吸収され難く、毒性影響の発現が吸入経路に限定されるため吸入経路での分類とした。
吸入経路では、ヒトについての「振戦、記憶欠損、視力障害、随意運動機能低下、知覚異常、神経伝導速度低下」、「腎症、近位尿細管と糸球体の変化」「歯肉萎縮、歯肉縁の青色色素の沈着、歯の脱落」、「心悸亢進の頻度の増加、心血管反射反応の低下と高血圧の頻度の増加」、「白血球増加、血小板減少と鼻出血、ヘモグロビンとヘマトクリットの著しい減少」(CERIハザードデータ集 2001-58@ (2002))、「肝細胞の影響(詳細不明)」(CICAD 50 (2003))等の記載があり、実験動物においては、「脳に軽度の病変から壊死を伴う重度の細胞変性、肝臓に壊死を伴う中等度から重度の肝細胞変性、腎臓組織の重度の変性及び広範な壊死がみられている。」(ATSDR (1999))、「小脳のプルキンエ細胞の消失、脳幹、特に橋核に重度のグリオーシス」、「心臓に軽度から中等度の病変(詳細不明)」(CERIハザードデータ集 2001-58@ (2002))等の記載があることから、実験動物での標的臓器は中枢神経系、末梢神経系、腎臓、心臓、血液系、肝臓と考えられた。
したがって、分類は区分1(吸入経路:中枢神経系、末梢神経系、腎臓、歯肉、心血管系、血液系、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(慢性) 区分4 - - 長期的影響により有害のおそれ 金属であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。



参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


物質一覧ページに戻る

GHS関連情報トップページに戻る

このページの先頭へ