参考資料
解説・用語集(エクセルファイル(64KB))
| ID26 五酸化バナジウム(CAS番号 1314-62-1) | 分類実施日 | H20.3.3 |
| 危険・有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起用語 | 危険有害性情報 | 分類根拠・問題点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 急性毒性(経口) | |||||
| 1 | 急性毒性(経皮) | |||||
| 1 | 急性毒性(吸入:ガス) | |||||
| 1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | |||||
| 1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | |||||
| 2 | 皮膚腐食性/刺激性 | |||||
| 3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | |||||
| 4 | 呼吸器感作性又は皮膚感作性 | |||||
| 5 | 生殖細胞変異原性 | |||||
| 6 | 発がん性 | |||||
| 7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | 3省GHS分類の根拠文献であるCICAD 29(2001)を精査したが、根拠としている実験のうち、生殖能に関する実験は、パブコメの指摘のように、五酸化バナジウムではなく、メタバナジン酸ナトリウムで行われた実験であり、引用することは適切ではない。 また、五酸化バナジウムを用いて胎児への影響が認められた実験は、一腹毎のデータがなく、データの解析が不適なので、信頼性に問題があり決定が下せないとCICADに記載のように、この結果から、判断するのは適切ではないと考える。 従って、GHS分類は、「区分2」から「分類できない」に修正する必要がある。 |
| 8 | 標的臓器/全身毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系、肝臓、腎臓) | ![]() |
危険 | 臓器(呼吸器系、肝臓、腎臓)の障害 | パブリックコメントでは3省GHS分類の引用文献の原報に遡ることができないと指摘しているが、原報に遡ることは可能である。 それぞれの文献を確認したところ、呼吸器系については、Sjobergら(1950)の文献に記載のウサギを用いる単回吸入暴露試験において、「区分1」のガイダンス値範囲内で気管支炎および気管支肺炎病巣が認められているので、GHS分類は「区分1(呼吸器系)」が妥当である。 また、血液系については、「貧血、白血球増加」の記述の一次文献であるDuthon(1911)を確認したところ、反復暴露による症例であり、また、五酸化バナジウム以外のバナジウム化合物に暴露された可能性があることがわかった。よって、当文献は採用せず、血液系を特定標的臓器から除外する。 肝臓および腎臓への影響については、CICADによれば、LD50値が「区分1」のガイダンス値範囲内であるラット試験において、肝細胞壊死、尿細管の混濁膨脹が認められている。したがって、「区分1(肝臓、腎臓)」が妥当と考える。 以上に基づき、「区分1(呼吸器、血液系、肝臓、腎臓)」から「区分1(呼吸器系、肝臓、腎臓)」に修正する。 |
| 9 | 標的臓器/全身毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器系)、区分2(肝臓) | ![]() |
危険 | 長期ないし反復暴露による臓器(呼吸器系)の障害 長期ないし反復暴露による臓器(肝臓)の障害のおそれ |
パブリックコメントでは3省GHS分類の引用文献の原報に遡及できないと指摘しているが、原報に遡及することは可能である。また、パブリックコメントでは、証拠の重みからCICADを採用するのが妥当と指摘しているが、GHS国連文書に基づけば、たとえ専門家により評価された文書に記載されていないデータでも、GHS分類に採用することは可能である。 呼吸器系については、ACGIHでは、呼吸器影響を考慮してTLV-TWAを設定しており、CICADでは、毒性学的エンドポイントとして呼吸器刺激性を挙げている。また、ACGIHに記載のRoshchin(1952)のデータによれば、ラットを用いる吸入暴露試験において「区分1」のガイダンス値範囲内で出血を含む鼻汁、肺の限局性水腫が認められているので、「区分1(呼吸器系)」が妥当であると考える。 血液系・神経系への影響について、3省GHS分類根拠のヒトデータの一次文献であるSjoberg(1955)を確認したところ、数例においてヘモグロビンの減少傾向や、著しい疲労症状が認められているものの、「注目すべき一般毒性は認められない」と結論づけられている。したがって、本文献に基づいて血液系・神経系を反復暴露の特定標的臓器とするのは妥当ではない。 肝臓への影響について、Handbook of the Toxicology of Metals. 2nd ed.(1986)を確認したところ、ラットを用いる吸入暴露試験において、「区分2」のガイダンス値範囲内で限局性肝細胞壊死を伴う脂肪変性が認められてい。よって、GHS分類は「区分2(肝臓)」が妥当であると考える。 なお、パブリックコメントでは、バナジウムが自然界に広く存在し、食物からも摂取されていると指摘しているが、GHS国連文書に基づけば、GHS分類においては暴露を考慮する必要はない。 以上に基づき、「区分1(呼吸器、血液系、神経系、肝臓)」から「区分1(呼吸器系)、区分2(肝臓)」に修正する。 |
| 10 | 吸引性呼吸器有害性 | |||||