GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID21 クロム(VI)酸鉛(CAS番号 7758-97-6) 分類実施日 H18.3.23 (環境に対する有害性についてはH18.2.10)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
11 自己発熱性物質および混合物 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 区分外 - - - 水に対して安定(水溶解度5.8μg/100mL(25℃)、ICSC(2004))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - データ不足のため分類できない

【注記】ACGIH (7th, 2001)に 以下のような記述あり。
「The health hazard present ed by PbCrO4 , in comparison with that from other lead and chromium compounds, has long been a matter of dispute. Chromate salts are, in general, corrosive as a result of their oxidizing properties. Some authorities held that it presented little toxic hazard because of its extreme insolubility. Others considered it to be a hazard from both its lead and chromate content (see current TLV Documentations for Lead and Chromium compounds). 」
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - 本物質については、述べられていないので、分類できないとしたが、六価クロム、クロム化合物としては、ATSDR (2000)、ヒトへの健康影響の記述「Necrosis and sloughing of the skin occurred in individuals at the site of application of a salve containing potassium chromate. 」、EHC 61 (1988)の「Ulceration is likely to occur among workers who have contact with high concentrations of chromic acid, sodium or potassium dichromate or chromate, or ammonium dichromate.It does not result from contact with trivalent chromium compounds. 」という記述から、程度は不明だが、非可逆的皮膚刺激性があると思われる。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - 本物質については、述べられていないので、分類できないとしたが、六価クロム、クロム化合物としては、EU-RAR No.53 (2005)のヒトへの健康影響にて「Accidental splashing of highly water-soluble Cr(VI) compounds in solution into the eye has resulted in damage to the human eye. A number of case reports have detailed both inflammation of the cornea and conjunctivae and in more severe cases, corneal erosion and ulceration. The severity of response is increased by low pH or high temperature. Accidental eye contact with the corneal oedema and opacity.」「Severe and persistent eye and skin effects, including ulcers, have been observed in humans following single or repeated exposures. 」との記述があり、非可逆的、可逆的か、またその程度も不明である。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない     皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:日本職業・環境アレルギー学会特設委員会にて、クロムがリストアップされ、また日本産業衛生学会にても、クロムを「第2群」に分類しているが、これは当該物質ないしその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではなく、本物質が同定されているか不明であり、またCaPSAR (1994)の、ヒトへの健康影響の記述にて影響が出たレベルは確立できないが、感作性はあるとの記述がある。しかし、これも本物質についてまで断定できるのか不明であるため、分類できないとした。
皮膚感作性:  日本職業・環境アレルギー学会特設委員会にて、クロムがリストアップされ、また日本産業衛生学会にても、クロムを「第2群」に分類しているが、これは当該物質ないしその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではない。CaPSAR (1994)、EHC 61 (1988)、ACGIH (7th, 2001)、EU-RAR No.53 (2005)、DFGOT vol.15 (2001)、ECETOC TR45 (1994)、PATTY (4th, 2000)、ATSDR (2000)のヒトへの健康影響の記述にて、クロムのパッチテストによる結果「陽性」等の記述はある。しかし、これらも、本物質についてまで断定できるのか不明であるため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分2 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
遺伝性疾患のおそれの疑い
RTECS ( 2005) により「経世代変異原性試験」では陽性結果無し、 in vivo変異原性試験(小核試験)で陽性結果があるが、生殖細胞か体細胞か不明である。しかし、in vitro試験結果については、少なからぬ変異原性試験および遺伝毒性試験の知見があり、これらはほぼ揃って陽性結果を示している。このため、区分2に分類されると考える。

6 発がん性 区分1A 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
発がんのおそれ
NTP (2005)でK(Chromium hexavalent (VI) compounds として)、IARC (1990)でGroup 1(Chromium(VI) として)、日本産業衛生学会で1(クロム化合物(6価)として)と分類されていることから、区分1Aとした。
7 生殖毒性 区分2 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い
(本物質のデータはないが、)ACGIH-TLV(2004)には、鉛および無機鉛化合物として、また、クロム酸鉛として生殖への影響が挙げられており、さらにICSC(2002)において、クロム酸鉛はヒトに生殖発生毒性を示す可能性があるとしていることから、区分2とした。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(造血系、血液系、腎臓、神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
臓器(造血系、血液系、腎臓、神経系)の障害
ヒトについては、「拒食、嘔吐、不快感、痙攣、非可逆的な脳の損傷」(HSDB (2002))等の記述があることから、神経系が標的臓器と考えられた。

なお、無機鉛の急性毒性として、「造血機能への影響、ヘモグロビン合成阻害、赤血球寿命の短縮による貧血、蛋白尿、血尿、尿円柱、糖尿及びアミノ酸尿などに代表されるFanconi 症候群を呈する近位尿細管障害、末梢神経系への作用、中枢神経系への影響」(CERIハザードデータ集 2001-9 (2002))がみられていることから、造血系、血液系、腎臓、神経系を標的臓器とした。

以上より、最終的な分類は、区分1(造血系、血液系、腎臓、神経系)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(造血系、血液系、腎臓、神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
長期または反復暴露による臓器(造血系、血液系、腎臓、神経系)の障害
データなし

なお、無機鉛の慢性毒性として、「造血機能への影響、ヘモグロビン合成阻害、赤血球寿命の短縮による貧血、蛋白尿、血尿、尿円柱、糖尿及びアミノ酸尿などに代表されるFanconi 症候群を呈する近位尿細管障害、末梢神経系への作用、中枢神経系への影響」(CERIハザードデータ集 2001-9 (2002))がみられていることから、造血系、血液系、腎臓、神経系を標的臓器とした。

以上より、最終的な分類は、区分1(造血系、血液系、腎臓、神経系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(慢性) 分類できない - - - データがなく分類できない。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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