GHS分類結果 (経済産業省平成19年度事業)
(パブリックコメントに寄せられたコメント等を参考にした分類(Bパターン))

ID18 N-methylformamide(CAS番号 123-39-7) 分類実施日 2008.03.24
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)
(GHS国連文書改訂2版で変更された箇所については、変更後の記述に則って分類した)

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 飲み込むと有害のおそれ ラットのLD50値4,000 mg/kg(HSDB (2002))に基づき、区分5とする。
1 急性毒性(経皮) 区分4
警告 皮膚に接触すると有害 Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)に記載のウサギのLD50値2,000 mg/kgに基づき、区分4とする。なお、EU Annex IはXn; R21でありGHS区分3〜4に相当する。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による液体であるため、分類対象外とする。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - 20℃での飽和蒸気圧濃度は223 ppmである。Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)に、「ラットを20℃の飽和蒸気に7時間暴露(4時間換算値0.71 mg/L)した場合1匹も死なず臨床症状も見られなかった」と記載されている。区分2の蒸気基準値は2.0 mg/Lなので、分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - 20℃での飽和蒸気圧濃度は223 ppmである。Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)に、「ラットを4.02 mg/Lに4時間暴露した場合、1匹も死なず臨床症状も見られなかった」と記載されている。区分4のミスト・粉塵基準値は5 mg/Lであり、分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)には、「1動物の実験結果からの判断だが、おそらく皮膚刺激性の可能性は無視できる」と記載されているが、具体的なデータが不明であるので分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 眼刺激 ICSC(2001)、HSDB (2002)の「眼刺激性」の記載、HSDB (2002)の「結膜炎の発症が記載され動物試験では影響は軽度(mild)」の記載に基づき、区分2Bとする。なお、Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)には、「ウサギの眼に対する試験結果は様々なので、ヒトの眼に直接接触した場合の可逆的な損傷を考慮する必要がある」と記載されている。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない   
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)に、「長時間接触ではジメチルホルムアミドと同様に脱水作用や皮膚の保護機能を阻害する作用を予測しないといけないが、感作性の可能性は示されなかった」と記載されているが、具体的な疫学調査、症例報告、動物実験のデータがないため、分類できないとする。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - NTP (Access on Feb. 2008)によれば、in vitro変異原性試験(細菌を用いる復帰突然変異原試験)で陰性だが、in vivo試験のデータは記載されていない。一方、Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)には、「数少ない細菌の復帰突然変異試験と生殖細胞を用いたin vivo経世代変異原性試験(優性致死試験)からは、変異原の可能性は確認できなかった」とある。Priority 1、2の情報源にはin vivo試験のデータは記載されていないうえ、GESTIS(Access on Feb. 2008)に記載の優性致死試験に関する詳細は不明なので分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - 国際的評価機関による評価がなく、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 区分1B
危険 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ HSDB (2002)に、「妊娠期7〜14日の雌ラットに対する経皮投与では、87%の胎児が死亡し全ての生存胎児に奇形(水腎症、水頭症)が生じ、経口経路でも同様な結果がえられた。胎児器官形成期の妊娠ウサギに対する経皮経路ではわずかな催奇形性がみられた」との記載がある。HSDB (2002)の一次文献の内容を精査したところ、投与濃度範囲で妊娠ラットに見られた影響は体重減少(7〜9%)であった。ウサギに関しては、体重測定を行っていないので、影響は不明である。よって、ラットでは母体毒性がほとんどない濃度で、胎児の死亡や催奇形性がみられたので区分1Bとする。ただし、EU Annex IはCat. 2; R61でありGHS区分1Bに相当する。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(肝臓、全身症状)
危険 臓器(肝臓、全身症状)の障害 Priority 2のICSC(2001)に「咳」と記載されているが、短期暴露の項に眼刺激性以外に刺激性には言及していない。また、Priority 3のGESTIS(Access on Feb. 2008)には、ヒトについて「がん治療薬としてもっぱら経口投与のデータがあり、15 mg/kg以上のそれほど高くない濃度では、吐き気、嘔吐、肝機能障害が見られる」と記載されている。ヒトデータはPriority 3の情報源に基づくが、臨床薬として治験症例が豊富にあることが予測できるので区分1(肝臓、全身症状)とする。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、全身症状、呼吸器系)
危険 長期又は反復暴露による臓器(肝臓、全身症状、呼吸器系)の障害 短期暴露により肝臓に影響あり(ICSC(2001))とある。ヒトでは、HSDB (2002)に、「がん治療薬として経口投与した患者では、吐き気、嘔吐、食欲不振の症状を示し、全投与量が80 mg/kg以上の患者は肝機能試験で損傷が見られた」、Priority3のGESTISに、「ヒト暴露情報はもっぱらがん治療薬としての経口投与だが、“a short-term exposure to much smaller concentrations”で呼吸機能に明らかな障害が生じる」と記載されている。GESTISの一次文献の確認は困難なので、具体的な期間は不明である。ヒトデータはPriority 2、3の情報源に基づくが、臨床薬として治験症例が豊富にあることが予測できるので、区分1(肝臓、全身症状、呼吸器系)とする。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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