GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID17 クレゾール(CAS番号 1319-77-3) 分類実施日 H18.3.23 (環境に対する有害性についてはH18.5.24)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体(m-体)、または固体(o-体、p-体)である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体(m-体)、または固体(o-体、p-体)である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体(m-体)、または固体(o-体、p-体)である。
6 引火性液体 区分4(m-体)、分類対象外(o-体、p-体) - 警告
可燃性液体
ICSC(1999)による引火点は86℃であり、「区分4」に該当する(m-体)。国連危険物輸送勧告ではクラス・区分6.1およびクラス8 (国連番号2076および3455)。GHSの定義における固体である(o-体、p-体)。
7 可燃性固体 分類対象外(m-体)、区分外(o-体、p-体) - - - GHSの定義における液体である(m-体)。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1およびクラス8 (国連番号2076および3455)(o-体、p-体)。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外(m-体)、分類対象外(o-体、p-体) - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点626℃(ICSC,1999))(m-体)。GHSの定義における固体である(o-体、p-体)。
10 自然発火性固体 分類対象外(m-体)、区分外(o-体、p-体) - - - GHSの定義における液体である(m-体)。常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点599℃(o-体)(ICSC,2000))、発火点559℃(p-体)(ICSC,2000))。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点30℃(o-体)(ICSC,2000)、融点11〜12℃(m-体)(ICSC,1999)、融点35℃(p-体)(ICSC,2000)、試験温度140℃)。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない(m-体)。GHSの定義における固体である(o-体、p-体)。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である(m-体)。フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない(o-体、p-体)。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データなし。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない (国連番号2076および3455)。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
飲み込むと有害
ラットによる経口投与試験のLD50=1,454 mg/kg (IUCLID (2000)) より、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分4 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
皮膚に接触すると有害
ウサギによる経皮投与試験のLD50=2,000 mg/kg (EHC 168 (1995)) より、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による固体 (o-クレゾール、p-クレゾール) 又は液体 (m-クレゾール) であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険を表わす薬品と掌のシンボル
危険
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果、「非可逆性の組織破壊」 (EHC 168 (1995)) がみられたことから、区分1A-1Cとしたが、安全性の観点から1Aとする方が望ましい。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険を表わす薬品と掌のシンボル
危険
重篤な眼の損傷
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、「角膜混濁と血管新生」(CERIハザードデータ集 97-9@ (1998)) がみられ区分1とした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない  皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:  データなし
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - CAS1319-77-3で規定されるクレゾールは、o-体、m-体、p-体、およびメチル基と水酸基の位置の不明のものであり、これら混合体のin vivo変異原性データはない。一方、EHC 168 (1995)およびNTP TOX9 (1992)の記述から、60:40 m/p-クレゾールは、体細胞in vivo変異原性試験(マウス赤血球を用いた小核試験)で陰性であること、o-クレゾールはマウス赤血球小核試験およびマウス優性致死試験で陰性であること、m-クレゾールはマウス骨髄染色体異常試験で陰性であることから、総合的にクレゾール(混合体)はin vivo変異原性を示さないと判断され、技術上の指針(Appendix 1)に従い「区分外」とした。
6 発がん性 区分外 - - - クレゾール(CAS No. 1319-77-3)としての発がん性に関する既存分類はないが、当該物質の各異性体(o-、m-、p-クレゾール)について、同一の既存分類((EPA(1991)でCに分類)が存在しているため、それらの分類結果を用いてGHS分類を行い、区分外とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - データ不足のため分類できない
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(血液系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、中枢神経系)、区分3(麻酔作用) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告を表わす感嘆符のシンボル
危険
警告
臓器(血液系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、中枢神経系)の障害
(麻酔作用)眠気またはめまいのおそれ
ヒトについては、「深い昏睡状態、重篤なメトヘモグロビン血症、ハインツ小体の形成と血管内溶血、血栓形成、肝臓の脂肪変性、腎臓の脂肪変性や尿細管の壊死」(CERIハザードデータ集 97-9 (1998))、「心筋の機能障害、出血性肺浮腫、肝臓の小葉細胞の壊死、腎臓の壊死、脳のうっ血、腫大」(EHC 168 (1995))等の記述、実験動物については、「間代性の痙攣、血尿、気道刺激性、肺と肝臓の壊死」(DFGOT vol.14 (2000))等の記述があることから、血液系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、中枢神経系を標的臓器とし、麻酔作用をもつと考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分1(血液系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、中枢神経系)、区分3(麻酔作用)とした。
なお、これらの分類結果は組成不明のクレゾールや、他の混合物が含まれるクレゾールを用いたデータである。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(心血管系、血液系、腎臓、中枢神経系)、区分2(呼吸器) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
警告
長期または反復暴露による臓器(心血管系、血液系、腎臓、中枢神経系)の障害
長期または反復暴露による臓器(呼吸器)の障害のおそれ
ヒトについては、「循環障害、赤血球数及び白血球数、血小板の軽度の減少」(環境省リスク評価 第2巻 (2003))、「頭痛、悪心、嘔吐、高血圧、腎臓の機能障害、血中カルシウム濃度の異常、著しい振戦」(DFGOT vol.14 (2000))等の記述、実験動物については、「鼻腔の呼吸上皮の過形成、」(CERIハザードデータ集 97-9A (1998)、CERIハザードデータ集 97-9B (1998))等の記述があることから、心血管系、血液系、腎臓、中枢神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
なお、これらの分類結果は組成不明のクレゾールや、他の混合物が含まれるクレゾール、m-クレゾールとp-クレゾールのみの異性体混合物を用いたデータである。
以上より、分類は区分1(心血管系、血液系、腎臓、中枢神経系)、区分2(呼吸器)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 甲殻類(ヨコエビ科)の48時間EC50=7mg/L(CERI・NITE有害性評価書(暫定版)、2006)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分外 - - - 急速分解性があり(o-体、p-体、m-体の各異性体の分解度が60%を超えている(SIDS、1998、2005)ことから類推)、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=1.95(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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