GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID16 キシレン(CAS番号 1330-20-7) 分類実施日 H18.3.23 (環境に対する有害性についてはH18.5.24)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告を表わす炎のシンボル
警告
引火性液体および蒸気
ICSC(2002)による引火点は32℃(o-体)(密閉式)、27℃(m-体、p-体)(密閉式)であり、いずれも「区分3」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス3、容器等級II〜III (国連番号1307)。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点463℃(o-体)および527℃(m-体、p-体)、(ICSC,2002))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - 国連危険物輸送勧告がクラス3 (国連番号1307)。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告
飲み込むと有害のおそれ
ラットを用いた経口投与試験のLD50=3,500 mg/kg (CaPSAR (1993)), 4,300 mg/kg (環境省リスク評価第1巻 (2002)) のうち、低い値に基づいて区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50=>4,350 mg/kg (IUCLID (2000)) に基づくと、区分5または区分外と考えられるが、確定値が得られていないので、分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - ラットを用いた吸入暴露試験のLC50(4時間)=29.08 mg/L(環境省リスク評価第1巻 (2002)) (6,700 ppmに相当) は、飽和蒸気圧 0.8 kPa (20℃) における飽和蒸気圧濃度 8,000 ppm の90% より低い濃度であるため、「ミストがほとんどない蒸気」としてppm濃度基準値で分類し、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
皮膚刺激
ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果(CERI・NITE有害性評価書 No.62 (2004)) の記述から、「中等度の刺激性」がみられるとあり、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
強い眼刺激
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果(CERI・NITE有害性評価書 No. 62 (2004))の記述から、「中等度(moderate) の刺激性」を有するとあり、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない  皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性: データなし
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - CERI・NITE有害性評価書 No.62 (2004)、CaPSAR (1993)、IARC (1999)、NTP DB (Access on December 2005)の記述から、ヒト経世代疫学で陰性、経世代変異原性試験なし、生殖細胞 in vivo 変異原性試験なし、体細胞 in vivo 変異原性試験(小核試験・染色体試験)で陰性であり、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - ACGIH (2001)でA4、IARC (1999)でGroup 3に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分1B 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
生殖能または胎児への悪影響のおそれ
CERI・NITE有害性評価書 No.62 (2004)、EHC 190 (1997)、IRIS (2003)の記述から、マウスの発生毒性試験で親動物に一般毒性がみられない用量で、胎児に体重減少、水頭症がみられていることから、区分1Bとした。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓)、区分3(麻酔作用) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告を表わす感嘆符のシンボル
危険
警告
臓器(呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓)の障害
(麻酔作用)眠気またはめまいのおそれ
ヒトについては、「喉の刺激性、重度の肺うっ血、肺胞出血及び肺浮腫、肝臓の腫大を伴ううっ血及び小葉中心性の肝細胞の空胞化、点状出血と腫大及びニッスル小体の消失を伴う神経細胞の損傷、四肢のチアノーゼ、一過性の血清トランスアミナーゼ活性の上昇、血中尿素の増加、内在性クレアチニンの尿中クリアランス低下、肝臓障害及び重度の腎障害、記憶喪失、昏睡」(CERI・NITE有害性評価書 No.62 (2004))、「肺のうっ血、浮腫、巣状肺胞出血」(環境省リスク評価 第1巻 (2002))等の記述、実験動物については、「深い麻酔作用」(EHC 190 (1997))、等の記述があることから、呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓を標的臓器とし、麻酔作用をもつと考えられた。
以上より、分類は区分1(呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓)、区分3(麻酔作用)とした。
なお、これらの分類結果は組成不明のキシレンや、他の混合物(エチルベンゼンやトルエンなど)が含まれるキシレンを用いたデータである。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
長期または反復暴露による臓器(呼吸器、神経系)の障害
ヒトについては、「眼や鼻への刺激性、喉の渇き」(DFGOT Vol.15 (2001))、「慢性頭痛、胸部痛、脳波の異常、呼吸困難、手のチアノーゼ、発熱、白血球数減少、不快感、肺機能低下、労働能力の低下、身体障害及び精神障害」(CERI・NITE有害性評価書 No.62 (2004))等の記述があることから、呼吸器、神経系が標的臓器と考えられた。
以上より、分類は区分1(呼吸器、神経系)とした。
なお、これらの分類結果は組成不明のキシレンや、他の混合物(エチルベンゼンやトルエンなど)が含まれるキシレンを用いたデータも採用している。
10 吸引性呼吸器有害性 区分2 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
飲み込み,気道に侵入すると有害のおそれ
o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンのICSC (J) (2002)より、「液体を飲み込むと、誤嚥により化学性肺炎を起こす危険がある。」の記述があるため、区分2と分類した。

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 魚類(ニジマス)の96時間LC50=3.3mg/L(CERI・NITE有害性評価書、2005)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分2 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
- 長期的影響により水生生物に毒性 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=3.16(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(BODによる分解度:39%(CERIハザードデータ集、2005))ことから、区分2とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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