GHS分類結果 (経済産業省平成19年度事業)
(パブリックコメントに寄せられたコメント等を参考にした分類(Bパターン))

ID13 2-methyl-m-phenylene diamine(CAS番号 823-40-5) 分類実施日 2008.02.19
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)
(GHS国連文書改訂2版で変更された箇所については、変更後の記述に則って分類した)

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - データがなく分類できない。なお、2,5-TDA、2,4-TDAは区分3である。
【注】本物質の構造異性体である2,4-TDA(2,4-トルエンジアミン、ID167, CAS: 95-80-7)、2,5-TDA(パラトルイエンジアミン、ID1324, CAS: 95-70-5)、および、TDA構造異性体の総称であるTDA(トルイレンジアミン、ID1309, CAS: 25376-45-8)の分類結果を参照のこと。本健康有害性については、必要に応じ、これら異性体の分類結果を記載している。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - データがなく分類できない。なお、2,5-TDAは分類できない、2,4-TDAは区分3である。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による固体であるため、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2
警告 皮膚刺激 本物質の皮膚刺激性試験データはないが、ICSC (2001)には本物質について「皮膚刺激性有」と記載されており、EHC 74(1987)には「ジアミノトルエンは皮膚を刺激する」との記載がある。程度は不明だが刺激性を有すると考えられるため、区分2あるいは区分3と考えられる。安全性の観点から、区分2とする。なお、2,5-TDA、2,4-TDAは区分3である。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2
警告 強い眼刺激 本物質の眼刺激性試験データはないが、ICSC (2001)には本物質について「眼刺激性有」と記載されており、EHC 74(1987)には「ジアミノトルエンは眼を刺激する」との記載がある。程度は不明だが刺激性を有すると考えられるため、区分2とする。なお、2,5-TDAは区分2A-2B、2,4-TDAは区分2Aである。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない   
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがなく分類できない。
皮膚感作性:Priority2の情報源であるEU-Annex IでR43であり、同じくPriority2の情報源であるICSC (2001)で「反復または長期の接触により、皮膚が感作されることがある」と記載されている。しかし、具体的な疫学的調査、症例報告、動物実験のデータがないため、分類できないとした。なお、2,5-TDA、2,4-TDA、TDAは区分1である。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - Priority1、2の情報源に限らず調査したところ、ラット骨髄小核試験で極めて弱い陽性知見(Carcinogenesis,12, 2233-2237, 1991)があるものの、トランスジェニックマウスを用いる突然変異試験での2つの陰性知見(Environ Health Perspect, 104(Suppl 3), 683-686, 1996; Mutat Res, 608,88-96, 2006)ならびにラット肝UDS試験での陰性(Carcinogenesis,12, 2233-2237,1991)に基づき、証拠の重みづけから、区分外とした。
また、2,4-TDAは、先の分類結果では区分外とされているが、上記トランスジェニックマウスを用いる突然変異試験において陽性の結果が得られており、区分2と考えられる。
6 発がん性 区分外 - - - 既存分類はない。一方、EHC 74 (1987)には、NCI(1980)によるラットとマウスを用いる103週間経口投与試験が引用されている。EHCには、種々の統計学的評価に基づき「雌雄のF344ラット、雌雄のB6C3F1マウスに対し2,6-TDAは発がん性を有しないとNCI(1980)では結論付けられている」とあり、NCIのデータの信頼性を評価できる。よって、NCIの結論を採用し、区分外とする。なお、3省GHS分類においては、2,5-TDAは区分外、2,4-TDA、TDAは区分2である。
7 生殖毒性 区分2
警告 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い EHC 74 (1987)の記述から、ウサギを用いる経口投与試験において、母動物の体重減少が認められる用量で胚死亡が認められているので、区分2とする。なお、EHC 74 (1987)に記載のラットを用いる経口投与試験においては、母動物の体重減少が認められない用量で胎児の不完全な椎骨発現の増加が認められているが、これは骨格変異に相当するので、GHSは区分2に相当すると考えられる。また、母動物の体重減少が認められる用量で、胸骨分節欠損、頭がい骨の不完全な閉鎖がみられている。2,5-TDA、2,4-TDA、TDAはいずれも区分2である。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分2(血液系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用)
警告 臓器(血液系)の障害のおそれ
呼吸器への刺激のおそれ
眠気又はめまいのおそれ
ヒトについては、Priority2の情報源であるICSC(J) (2001)に、吸入暴露による急性症状として「咳、めまい、頭痛、息切れ、錯乱、痙攣、吐き気、意識喪失」との記載があり、短期暴露の影響として「気道を刺激する。血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成することがある。」との記載があることから、気道刺激性および麻酔作用があり、また、血液系が標的臓器と考えられた。
以上より、分類は区分2(血液系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 分類できない - - - データがなく分類できない。なお、2,5-TDAは分類できない、2,4-TDAは区分1(肝臓、腎臓)、区分2(血液系、脾臓、精巣)、TDAは区分1(肝臓)である。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがなく分類できない。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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