GHS分類結果 (経済産業省平成19年度事業)
(パブリックコメントに寄せられたコメント等を参考にした分類(Bパターン))

ID12 1,3,5-trioxan(CAS番号 110-88-3) 分類実施日 2008.03.26
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)
(GHS国連文書改訂2版で変更された箇所については、変更後の記述に則って分類した)

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - GESTIS(2003)に「複数のラットのLD50値は8,190 mg/kgと9,500 mg/kgの範囲内にある」と記載されており、NTPの文書であるReview of Toxicological Literature (s-Trioxane, 1999)にはラットLD50値5,000 mg/kgとの記載がある。これら3つの値(8,190、9,500、5,000 mg/kg)に計算式を適用して得られた6,010 mg/kgに基づき区分外とする。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - NTPの文書であるReview of Toxicological Literature (s-Trioxane, 1999)にラットLD50値10,000 mg/kgというデータがあるので、区分外とする。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による固体であるため、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - NTPの文書であるReview of Toxicological Literature (s-Trioxane, 1999)に、飽和蒸気圧濃度は17,100 ppm、ラットLC50値は<7,057 ppmとあるが、LC50値を特定できないので分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - GESTIS(2003)に「OECDテストガイドラインに沿った試験を含め殆どのウサギの試験で刺激性なし」とあるので区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - GESTIS(2003)に「ウサギを用いた種々の試験結果を要約すると、わずかな(slightly)刺激性」とあり、これは区分外に該当する程度の表現であるので、区分外とした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがなく分類できない。
皮膚感作性:GESTIS(2003)にOECDテストガイドラインに沿った試験を含めモルモットを用いた3例の試験結果がいずれも陰性とあるが、消毒液として本物質に暴露した歯科学生で陽性の可能性を示すヒト事例が1例ある(HSDB(2003)、GESTIS(2003))。よって、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - in vivoのマウス小核試験とラットUDS試験の陰性結果、ならびにin vitroのAmes試験、染色体異常試験、遺伝子突然変異試験の陰性結果(GESTIS(2003)、BAuA Report(2002))から、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - データがなく分類できない。
7 生殖毒性 区分1B
危険 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ NTPの文書であるReview of Toxicological Literature (s-Trioxane, 1999)に「ラットへの1,500、3,870 mg/kgの1日おきの経口投与で、胎児の発達抑制が見られ、有意に奇形と母体毒性が見られた」とある。そこで、その元文献(Polish Journal of Occupational Medicine, 1, 51-61, 1988)の内容を確認したところ、ラットへの発生毒性試験で(妊娠8-20日)、母体毒性が見られていない770 mg/kg(1日おき)の用量で、仔に水頭症(3.1%)、頭蓋骨の発達不全(16.5%)、胸骨の一部欠損(5.2%)が見られていた(カッコ内の数値は発症率)。よって、区分1Bとした。なお、EU Annex IはCat.3;R63であり、GHS区分2に相当する。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)
警告 眠気又はめまいのおそれ Priority3ではあるが、GESTIS(2003)に「ラットを用いた8時間の蒸気(濃度不明、但し飽和蒸気圧濃度は17,100 ppm)の吸入試験で振戦、弛緩など中枢神経系障害が見られたが、生存し、7日後の剖検で異常は見られなかった。」とあるので、「区分3(麻酔作用)」とする。なお、EU Annex IはXi; R37であり、気道刺激性に相当する。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(呼吸器)
警告 長期又は反復暴露による臓器(呼吸器)の障害のおそれ Priority3のGESTIS(2003)に、区分2のガイダンス値に相当する用量(0.5 mg/L/5時間/日)での12ヶ月のラットを用いた吸入試験で気管組織に損傷が見られたとあるので、区分2(呼吸器)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがなく分類できない。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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