GHS分類結果 (厚生労働省・環境省平成21年度事業(注))
(パブリックコメントによる見直し分類結果)

ID21C0011 ジエチレングリコールモノブチルエーテル(CAS番号 112-34-5) 分類実施日 H22.2.19
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3)

物理化学的危険性

分類結果の変更履歴はこちら
危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 可燃性液体 引火点78℃(Closed Cup, Weiss (2nd, 1986))であることより、93℃以下、60℃以上である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 発火点が223−228℃(Ullmanns(E) (6th, 2003))である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - 金属または半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - ‐O‐O‐構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データなし。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - List 1の情報源から得られた複数のラットLD50値(6560, 5660, 7300, 9600, 6530, 5080 mg/kg)(DFGOT VII(1992)、ECETOC TR. 64(1995)、PATTY(5th, 2001))が全て5000 mg/kgを超えていることから区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - List 1の情報源から得られたラットLD50値(>2000 mg/kg)(DFGOT VII(1992))およびウサギLD50値(2764, 4120 mg/kg)(PATTY(5th, 2001)、EU-RAR(2007))に基づきJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - ラットに18 ppmで7時間ばく露して死亡なしとの報告(EU-RAR(2007))もあるがデータ不足で分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - ウサギを用いた試験で「刺激性なし」あるいは「軽度の刺激性」の結果(IUCLID(2000)、BUA(1997)、HSDB(2997))が得られ、ヒトで行ったパッチテストでは一部の被験者に紅斑を認めたのみであった(DFGOT VII(1992)、ECETOC TR. 64(1995)、HSDB(2007))ことからJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2
警告 強い眼刺激 ウサギ眼に適用した試験で中等度の刺激性と組織損傷を示したが、14日以内に回復したと述べられ(ECETOC TR. 64(1995)、PATTY(5th, 2001))、別の試験では強い刺激性(highly irritating)が報告されている(IUCLID(2000))。これらの結果に基づき区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - モルモットを用いたMaximization testにおいて感作性は見られなかった(Non sensitizer in guinea pig maximisation test., ECETOC TR. 64 1995)ことより、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - 体細胞in vivo変異原性試験(マウスの骨髄細胞を用いた小核試験)の陰性結果(DFGOT VII 1992)こ基づき区分外とした。なお、in vitro変異原性試験では複数指標での強い陽性結果は見出されていない。
6 発がん性 分類できない - - - データなし。
7 生殖毒性 区分外 - - - ラットを用いた経口投与による一世代生殖試験(OECD TG 415)、経皮投与による一世代生殖試験、および13週間投与生殖試験の各試験において、出生仔体重のわずかな低下を除き試験物質ばく露の影響は全く見られなかった(DFGOT VII(1992), EU-RAR(1997), HSDB(2007))。一方、妊娠中の器官形成期を含む期間にばく露した試験では、ラットに経口と皮下投与により、マウスに経口投与により、またウサギに経皮投与によりそれぞれ行われているが、マウスの2試験中の1試験での同腹生存仔数の減少を除き催奇形性はもとより仔の発生にも悪影響は示されなった(DFGOT VII(1992), EU-RAR(1997), HSDB(2007))。以上の結果から、親の性機能および生殖能に加えて仔の発生に対する悪影響もないと判断されるので区分外とした。なお、器官形成期投与のマウスの1試験で見られた同腹生存仔数の減少( HSDB(2007))は、記述により分娩後の観察結果と推測されるが試験法を含め詳細不明である。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)
警告 臓器(中枢神経系)の障害のおそれ ウサギに経口投与により約2000 mg/kg(2130 uL/kg)で死亡が発生し、おおよそ1000〜2000 mg/kgで腹臥位となり一過性の無緊張、脱力状態、呼吸促進、麻酔症状に加え腎臓傷害が見られ(DFGOT VII(1992))、また、本物質の主要な急性症状として中枢神経症状と腎臓傷害が記述されている(DFGOT VII(1992))。一方、本物質を含む塗料のばく露を受けたヒトで腎臓傷害が報告されているが(DFGOT VII(1992), BUA Report 204(1977))、本物質の直接的影響ではなくアルコールとの相乗作用によると指摘されている(DFGOT VII(1992))。ウサギの試験結果には腎臓傷害の種類と程度について記載がなく詳細不明である。したがって、腎臓の所見については分類できないが、中枢神経症状は区分2とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 分類できない - - - ラットを用いた6週間(雄のみ)および13週間反復経口投与試験で重大な影響は認められず、NOAELはそれぞれ891 mg/kg/day(カットオフ値:217 mg/kg/day)および250 mg/kg/dayと報告されている(DFGOT VII(1992)、HSDB(2007))。また、ラットに13週間経皮ばく露による試験では最高用量2000 mg/kg/dayでも全身影響を示さなかった(EU-RAR(2007))。これらの用量がいずれもガイダンス値の区分2の範囲の上限を超えている。その他に複数の経口、経皮の反復ばく露による試験が実施されているが、それらの結果からガイダンス値範囲に相当する用量での重大な毒性の発現は確認できないことから区分外(経口、経皮)に該当するが、吸入での毒性影響が明確でないことから分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - 魚類(ブルーギル)の96時間LC50 = 1300 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 > 100 mg/L、藻類(セネデスムス)の96時間EC50 > 100 mg/L(いずれもEU-RAR, 1999)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分外 - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1000000mg/L(PHYSPROP Database、2008))、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:厚生労働省委託事業による見直し分類結果
「環境に対する有害性」:環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


物質一覧ページに戻る

GHS関連情報トップページに戻る